2012年9月20日木曜日

宮崎駿さん おすすめ児童文学 50冊


「星の王子さま」 サン=テグジュペリ / 作
「チポリーノの冒険」 ジャンニ・ロダーニ / 作
「バラとゆびわ」 サッカレイ / 作
「ムギと王さま」 E.ファージョン / 作
「三銃士」 アレクサンドル・デュマ / 作
「秘密の花園」 バーネット / 作
「ニーベルンゲンの宝」 G.シャルク / 編
「不思議の国のアリス」 ルイス・キャロル / 作
「シャーロック・ホウムズの冒険」 コナン・ドイル / 作
「小さい牛追い」 マリー・ハムズン / 作
「せむしの小馬」 エルショーフ / 作
「ファーブル昆虫記」 ファーブル / 作
「日本霊異記」 水上 勉 / 作
「イワンのばか」 レフ・トルストイ / 作
「第九軍団のワシ」 ローズマリ・サトクリフ / 作
「くまのプーさん」 A.A.ミルン / 作
「風の王子たち」 ボードウイ / 作
「思い出のマーニー」 シェーン・ロビンソン / 作
「長い冬」 ローラ・インガルス・ワイルダー / 作
「たのしい川べ」 ケネス・グレーアム / 作
「飛ぶ船」 ヒルダ・ルイス / 作
「フランバース屋敷の人びと1」 K.M. ペイトン / 作
「真夜中のパーティ」 フィリッパ・ピアス / 作
「トム・ソーヤーの冒険」 マーク・トウェイン / 作
「注文の多い料理店 イーハトーヴ童話集」 宮沢賢治 / 作
「ハイジ」 ヨハンナ・シュピリ / 作
「海底二万里」 ジュール・ヴェルヌ / 作
「床下の小人たち」 メアリー・ノートン / 作
「長い長いお医者さんの話」 K.チャベック / 作
「ツバメ号とアマゾン号」 アーサー・ランサム / 作
「飛ぶ教室」 エーリヒ・ケストナー / 作
「ロビンソン・クルーソー」 デフォー / 作
「宝島」 スティーヴンソン / 作
「森は生きている」 サムイル・マルシャーク / 作
「みどりのゆび」 モーリス・ドリュオン / 作
「ネギをうえた人」 金素雲 / 作
「聊斎志異」 蒲松齢 / 作
「ドリトル先生航海記」 ヒュー・ロフティング / 作
「西遊記」 呉承恩 / 作
「小公子」 バーネット / 作
「クローディアの秘密」 E.L.カニグズバーグ / 作
「やかまし村の子どもたち」 アストリッド・リンドグレーン / 作
「ホビットの冒険」 J.R.R. トールキン / 作
「影との戦い(ゲド戦記1)」 アーシュラ・K. ル=グウィン / 作
「まぼろしの白馬」 エリザベス・グージ / 作
「ぼくらはわんぱく5人組」 カレル・ポラーチェク / 作
「ジェーン・アダムスの生涯」 ジャッドソン / 作
「キュリー夫人」 エリナー・ドーリイ / 作
「オタバリの少年探偵たち」 セシル・デイ=ルイス / 作
「銀のスケート-ハンス・ブリンカーの物語」 メアリー・メイプス・ドッジ / 作


-ここにいう児童文学とは児童のために書かれた文学作品を意味するが、それはもとより文学の
一分野であって、文学の本筋からはなれた別のものではない。
しかし、児童のための文学は、そうした文学性をそなえつつ、児童に楽しみをあたえようという
意図をもって書かれたものでなければならない。
イギリスの児童文学の大家、アーサー・ランサムがいうように、<児童文学の傑作とは、読む
あいだに楽しめるばかりでなく、生涯を通じて生きつづける経験ともいうべき、あるものをあたえる
作品>であり、深い意味の教育性をそなえていなければならない。そして楽しみと教化という児童
文学の2要素から、図式的に児童文学における訓育主義と芸術主義という二つの起伏がくりかえ
されてきた。 しかしほんとうの傑作はつねに想像力のゆたかな芸術作品であって、ランサムのいう
結果的な教育性を表面には出さないものであった。
 児童書の歴史は、児童に対する社会の態度、つまり児童観の歴史ともみられる。児童は長い
あいだ、両親や教師にしつけられる小形のおとなであり、本はただあたえられたしつけの本にすぎ
なかった。しかし児童はいつの時代でも、児童が持っている新鮮な好奇心によって、おとなたちの
本だなからこっそりと、みずから本を選びとって子どもの本だなにうつしてきた。そして、単純な
絵物語、こっけいな小説、民謡・民話、神話・伝説、寓話、創作童話、物語、小説、事実の本、知識
の本と、しだいに児童文学の領域をみたしていった。-世界大百科事典「児童文学」